肉処とよたアレコレブログ
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肉とよ的『馬肉の食文化』

みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖

肉旦那
肉旦那
熱すぎて震える!!!

10月25日菊花賞、11月1日天皇賞(秋)‥熱いレースが繰り広げられ、日本の競馬界にあらたなヒーロー・ヒロインが誕生しました。

昔からお馬さんが大好きだった肉旦那にレクチャーしてもらいつつ、肉とよ家でもちょっとした競馬ブームが起きました。

‥さて。

そんななか、肉とよ家長男からこんな疑問。

「馬って食べられるの?」

ヨメ
ヨメ
良い着目してるねぇ

そんな長男の疑問にお答えすべく、今回は『馬肉の食文化について』を肉とよ的に解説していきます!

馬肉の歴史

もともと馬は家畜として労役や軍用に貴重であったため、飛鳥時代には大化の改新などで食用が一般には禁じられていました

https://www.nikutoyo.com/meat-history%e2%91%a0/

↑こちらは以前ご紹介した「日本の食肉文化」の記事。

食肉禁止令でも『狩猟の規制および牛・馬・猿・犬・鶏の5種類の肉食を禁ずる』として食肉が禁じられていましたが、それでも”食べたくなる”のがヒトの性。

日常食ではないながらも、さまざまな理由をつけ人々はお肉を食べていました。

馬肉はその当時より「さくら肉」のほか、「けとばし・けっとばし」ともいわれています。

江戸時代後期には、馬肉の煮売屋もあったようです。

当時、庶民は馬肉に感心をもたなかったらしいのですが、明治時代に入り牛肉の需要が増大すると、馬肉を牛肉として売るものが現れました。

馬肉の販売許可が正式に出たのは1877(明治10)年

そして馬肉が一般的に知られるようになったのは大正期に入ってからです。

馬肉を良く食すのは熊本・長野・青森などで、最初に馬刺しを食べるようになったのは長野だという記録も残っています。

第二次世界大戦後の食糧難の時代には、馬肉は食肉加工品の原料やコンビーフの缶詰などに使われるようになりました。

肉旦那
肉旦那
現在でもさくら肉大和煮の缶詰として流通していますね

食肉用の馬肉はカナダやメキシコ経由、加工用の馬肉はアルゼンチンなどからの輸入品がほとんど。

日本で飼育しているウマはほとんどが競走馬の品種であり、食用としているものは輸入が多いです。

馬肉を食べる文化・食べない文化

国際連合食糧農業機関(FAO)のデータによると、最も多く馬肉を消費している国は中国。

ほかに韓国やカザフスタン・トルコなど、アジアの諸国でソーセージや水餃子に加工され食されています。

国際連合食糧農業機関 FAO(=Food and Agriculture Organization of the United Nations)

世界の食糧生産と分配の改善・生活向上を通して飢餓の撲滅を達成するのを目的とする、国際連合の専門機関の1つ。

主にその活動は先進国と発展途上国の両方で行われ、国際的な農業水産林業に関する政策提言および協議をする際に各国が公平に話し合えるプラットホームとしての役割も果たしている。

他にも知識と情報を蓄積する役割も担っており、発展途上国が農業水産林業分野で技術改善を進めて、その結果として発展途上国の一般市民がより栄養価の高い食物を入手できる手伝いをしている。

Wikipediaより抜粋引用

ヨーロッパでも、オランダやフランスは馬肉を食べる習慣があります。

‥が、これはごくわずかな例。

イギリスやアイルランドでは、馬は騎士道に欠かせず、現代でも”人類の友”であり、気高いアスリートとされています。

ヨメ
ヨメ
王国騎士の誇りであり、また競馬やポロでも知られてますもんね
肉旦那
肉旦那
アメリカ人にとっても、同じ理由で『馬肉を食べるなんてとんでもない!』という感覚なのだそう

しかし馬肉食の習慣がないヨーロッパでは、牛肉と偽って馬肉が売られていたことが判明し、大きな社会問題となった過去があります。

偽造牛肉の輸出元として名指しされた国は「いわれなき嫌疑」と強く否定し、国家間の問題にまで発展しました。

偽造に加え”馬肉を食べない”という食文化のちがいが、大混乱を招いたのです。

別の一説としてこんな話も。

  • 馬肉を食べることが異教徒である最大のシンボルである
  • 魔女の宴会では大鍋で馬肉を煮て食べる

‥などとキリスト教の宣教師たちが噂したとか。

こうして馬肉食のタブーができあがり、ヨーロッパでは、馬は食用にされない例外的な家畜となりました。

まとめ

日本には馬刺しや桜鍋があります。

また、牛肉100%のコンビーフの代用として、馬肉を主原料にした「ニューコンビーフ缶」や、およそ馬肉80%牛肉20%の割合でできた「ニューコンミート缶」も市販されています。

馬肉文化が一般的になったのは約150年と短いですが、それでも今では”美味しい食肉”として当たり前に食べられています。

そういえばな話ですが、競馬‥お馬さんに通じていた肉旦那は、

肉旦那
肉旦那
大好きすぎて食べられない

なんて言っていた過去もあったり。

「馬肉を食べる・食べない」食文化には、理由が違えど、ヒトが大事にしている何かしらがあるんだな、と思いました。

別記事では馬肉料理のアレコレについてもご紹介していく予定です☆

 

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

ABOUT ME
肉とよ
山口県宇部市で精肉店を営んでいます。 お肉のことはもちろん、食に関するアレコレをはじめ、地元アレコレ、親子アレコレ‥いろんなアレコレについてつづっていけたら、と思っております。 みなさんに『喜ばれる歓び』をご提供!