みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
お馬さんが好きな肉旦那の影響で、11月1日天皇賞(秋)を自宅で干渉した肉とよ家。
「馬ってキレイねぇ‥」
と長男長女が言っていました。
そこから
「馬って食べられるの?!」
との事実にビックリしている長男に解説すべく‥
↑こちらの記事を書かせていただきました。
今回はそんな、知ってたらちょっと得する??『馬の”知識”について』掘り下げていこうと思います。
用途に合わせて改良
馬と人間との関わりや歴史は長く、紀元前4,000~3,000年頃から家畜化されたといわれています。
そのころから、軍事・運搬・農耕用とさまざまな改良が重ねられてきました。
現在、世界で飼育されている馬の品種は約200種あります。
日本では一般的に体格を基準に分けられ、『軽種』『中間種』『重種』、それに『日本在来種』が加わります。
軽種
主に乗用や、乗用の馬車を牽くために改良された品種で、軽快なスピードとある程度の耐久力を持つように改良されています。
体重は約400~500㎏。
- アラブ
- サラブレッド
- アングロアラブ
- アンダルシアン
- アハルテケ
- トラケナー
- リピッツァナー
などの種類があり、その多くがアラブを母体としています。
中間種
軽種と重種の混血種として、その中間的な性質を持っています。
軽快さと比較的温厚な性格で、馬術や乗馬によく使われます。
- セルフランセ
- スタンダードブレッド
- クォーターホース
- ハクニー
- ハンター
- ノルマン
- フリージアン
などの種類があります。
重種
主に農耕や重量物の運搬のために改良された品種です。
中世ヨーロッパでは重い甲冑を着込んだ重装備の騎士の乗馬とされました。
体重は約800㎏からなり、大きな個体では体重1トンを超えることも珍しくありません。
- ペルシュロン
- ブルトン
- ベルジャン(ベルジアン)
- シャイヤー
- クライズデール
などの種類があり、どれも筋肉質で重厚な馬です。
軽種よりも美味とされ、食用として用いられるのは重種馬が多いです。
また、北海道特有の競馬競走の一種『ばんえい競馬』で用いられているのは、この重種でもペルシュロンやベルジャンの混血馬や、これらと北海道和種などの在来種の混血馬(重半血)です。
在来種
日本古来の在来馬の美点や特質を受け継ぐ貴重な馬です。
- 北海道和種(北海道)
- 木曽馬(長野・岐阜)
- 野間馬(愛媛)
- 対州馬(長崎)
- 御崎馬(宮崎)
- トカラ馬(鹿児島)
- 与那国馬(沖縄)
- 宮古馬(沖縄)
と、現存する日本在来種として8種類が保護されており、北海道和種以外は非常に飼育頭数が少ないです。
北海道和種(北海道)は”道産子”の俗称でも親しまれています。
お馬さんうんちく!
ここまで品種の解説をしてきましたが‥
お次は馬に関する『オモシロうんちく』です☆
国道を馬で駆ける?!
人類の歴史上、馬が最古の乗物ともいわれており、現在の日本でも、実は馬は”軽車両”の1つです。
道路交通法によると、軽車両とは「自転車・荷車その他人若しくは動物の力により、またほかの車両に牽引され、且つレールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む)」とあり、法律的には、馬は車両の一種として認められているのです。
軽車両ということで基本歩道は走れず、車道を左側通行しなければなりません。
とはいえ馬は臆病な動物‥
すぐ側を通る自動車に驚くのは至極当然のことであり、これに慣れさせるのは一苦労することでしょう。
しかも蹄鉄はアスファルトではかなり滑りやすく歩きにくいんだとか!
現代の一般道を馬で駆けるのは、なかなかに大変そうです。。
血統がモノをいう!
代表的な競走馬として”サラブレッド”の名前を耳にするかと思います。
血筋がいいことの代名詞としても用いられるように、すべてのサラブレッドは血統がはっきりしています。
先祖をたどれば、例外なく3頭のアラブ馬のいずれかにたどりつくのです。
- バイヤリー・ターク(1689年)
- ダーレー・アラビアン(1704年)
- ゴドルフィン・アラビアン(1730年)
の3頭(年数はアラブからイギリスに輸入された年)がそれであり、世界中のサラブレッドはこのいずれかの血を受け継いでいるのです。
サラブレッドの始まりは、17世紀のイギリスにおいて、最も運動性に富むと考えられていた中東産のアラブ馬とイギリス在来の牝馬を交配した馬。
当時輸入されたアラブ馬は、牡馬を中心に200頭前後いたと伝えられていますが、現在まで残っているのは「三大始祖」と呼ばれる3頭の系統のみです。
ちなみに、というのがサラブレッドの語源は
thorou【徹底的に】+bred【品種改良したもの】
競馬とはまさに『ブラッドスポーツ』なのです!
ヤジ飛ばすヤツ、確かに”親父”なイメージ
火事や事件が起きると、どこからともなく集まってきて見物する人たちのことを「ヤジ馬」と呼びます。
野次馬の語源は「親父馬(おやじうま)」‥つまり「年老いた馬」のこと。
馬は集団で行動する動物で、体力・権力ともになくなった年老いた馬は、もっぱら若い馬のあとばかりついて歩くようになるのだそう。
その様子から、人の後にぞろぞろついてまわる人々のことを指すようになったという説があります。
また、親父馬すなわち老馬が仕事に使えないことから”うるさいだけで何の役にも立たない”人たちのことを「ヤジ馬」と呼ぶようになったという説もあります。
”ヤジ馬”から派生して、明治以降には「ヤジる・ヤジを飛ばす」という言葉も使われるようになったんだとか。
「人の尻馬に乗る」といったことわざの”尻馬”も同じような意味合いです。
まとめ
馬の品種・うんちくの記事でした。
一言に馬といっても、品種・種類が豊富です。
食用としても重宝される大きい体格の重種は、1トンを超えるモノもいるとか‥
また、うんちくにもありましたように、馬と人との関係は、生活にも強く根付いているんですねぇ。
‥とはいえ。
肉とよでは馬肉の扱いが注文を受けたとき以外基本ないので、精肉屋としてはあまり関係のない記事になってしまいましたが。。
次の記事では、精肉屋よろしく「馬の栄養」について掘り下げていきます☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。