みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
↑前回の記事で『部分肉の基本』について説明しました。
農林水産省が定める「豚部分肉取引規格」では、豚肉は大まかに5部位に分けられています。
かた・ヒレ・ロース・ばら・ももの5つ(部位名の表記は同規格によります)です。
実際の流通の現場では、かたを3分けしてネック・カタロース・ウデに、ももを2分けしてモモ・ソトモモにし、計8部位としているのが一般的です。
今回は、その『8部位』それぞれの解説をしていきます!
豚肉最高!
明るい光沢のある淡紅色の赤身と、口の中で容易に溶ける脂肪‥
料理の用途を選ばず、幅広く利用されている豚肉です。
どんな部位があるのか、さっそく解説していきましょう!
ネック
首の部分。
豚1頭から約300gしかとれない希少部位です。
マグロのトロのように脂質の多いトロリとした食感から「豚トロ」と呼ばれています。
ピンクの身とこってりとした脂肪が特徴で、口の中でとろけます。
焼いた豚トロは、意外にさっぱりとしていて歯ごたえもあります。
カタロース
肩から背にかけての「背最長筋」の部分。
鮮やかな淡い灰紅色でコクがあり、キメの細かいです。
ロースのやわらかさ・甘さも特徴として持っているので、しょうが焼きをはじめステーキ・とんかつ・肉じゃがなど、その用途は幅広いです。
ウデ
いわゆる肩の部分。
運動量が多いため、赤身が多くキメも粗いです。
しかしほどよく脂肪ものっているので食べやすく、風味もある。
角切り肉はシチューなどの煮込み料理に、薄切り肉はしょうが焼きなどにも用いられます。
ヒレ
ロースの内側、太・細2本の筋肉を束ねた形で、腰椎に沿って左右に1本ずつ走っている部位。
豚1頭から約1㎏しかとれない希少部位です。
運動量が最も少ない部位のため、肉質はやわらかくキメも細かいです。
脂肪はロースの5分の1に満たしません。
ロースト、焼き豚、ソテーなどの料理に使用されますが、定番中の定番はやはりとんかつ!
ロース
カタロースから続く、肩から腰にかけての背側の部分。
色はやや赤みのあるピンク色で、キメが細かくやわらかい上にジューシーなコクを併せ持ちます。
上側全体に脂肪が豊富で、豚肉特有のさわやかな香りが味の決め手となります。
とんかつはもちろん、薄切りにしてしょうが焼き、厚切りにしてステーキにしても美味しいです。
バラ
肋骨の腹側のあばら骨周り部分。
脂肪と肉が3層になっているため「三枚肉」ともいわれています。
肉質は、キメはやや粗いですが、全体的にはやわらかいです。
脂肪が多めなので、料理をした際にはその質が風味に深く関係します。
薄切りにして野菜炒めなどの炒め物に、また厚めにカットして角煮やシチューなどの煮込み料理に利用されます。
長時間煮込むことで脂肪層が溶け、スープや豚肉自体にコクがうまれます。
モモ
後ろ脚の付け根より上部、いわゆる太もも部分。
「うちもも」と「しんたま」に分けられます。
やわらかい赤身肉で、脂肪は少なめ、キメは部分部分で粗かったり細かかったりします。
いかにも「肉そのもの」といった味ですが、口当たりは軽くさっぱりとしています。
食べやすく、料理にしてもシチューや焼き豚など用途を選ばず使用されます。
ソトモモ
太ももの外側部分。
もっとも運動が激しい部位なので、キメが粗いうえに硬い。
大きな塊肉で、調理としては薄切り・角切りにしてローストや煮込み料理に利用されます。
まとめ
豚肉は、その栄養価の高さから、スタミナのつく肉といわれています。
牛肉より安価で、鶏肉よりも濃厚な脂‥
豚肉は庶民にとって滋養強壮のモトであり、社会全体の活力でもあります。
みなさんも、それぞれの部位にあった料理で、豚肉をご堪能ください☆
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。