みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
高い栄養価を持ち、しかもお財布にも優しいお値段で手に入る豚肉。
いろいろ使えて助かるわ~
その利便性からいろいろな料理に使用されるため、みなさんもほぼ毎日といっていいほど口にしているのではないでしょうか?
今回は、市場に出回る豚の品種のちがいとその特徴について解説いたします!
豚の品種
豚の代表的な品種には
- ランドレース種
- 大ヨークシャー種
- デュロック種
- バークシャー種
- 中ヨークシャー種
などがありますが、これらはいわゆる『純粋種』で、実際に食肉として出回っているのはわずかです。
日本食肉消費総合センターより引用
肉用豚の90%以上はこれらの純粋種を交配して作った交雑種で、牛と違って純粋種が少ないことが特色です。
ここで押さえておきたいのが、ネットや店頭などで目にする『三元豚』!
美味しい豚肉の代名詞のようにこの呼称が使われていますが、実は、品種や銘柄を表すものではなく、上記の3つの品種をかけ合わせた豚の総称なんです。
この他にも、地域活性化や生産者の意欲向上などを目的に開発された銘柄豚や、徹底管理の下に育てられたSPF豚、猪と豚との交配によって作られた一代雑種である猪豚など、全国各地でいろいろな種類の豚が肥育されています。
これら食肉用の豚や、ベーコンなどに加工するための豚として肥育される豚には、より早く成長させ太らせる肥育方法が広く画一的に行われています。
豚の銘柄
さて。
消費者のみなさんも、品種へのこだわりは比較的少ないのでは?
豚の『品種』は有名なものだけでも世界中で約30種ありますが、各地域で独特の生産方法で育てられる『銘柄豚』になると、日本だけでもその数は約260種類と多岐に渡ります。
三元豚やSPF豚、鹿児島原産の黒豚なんかが有名ですね。
みなさんもネットやスーパーなどで見かけたことがあるのではないでしょうか?
次は、有名どころのその3種を解説していきます!
三元豚
先にも説明したとおり、三元豚とは3つの品種をかけ合わせた豚の総称です。
現在日本で流通している豚の多くは、デンマークで生まれたランドレース種(L)、イギリスの大ヨークシャー種(W)、アメリカのデュロック種(D)の3品種を交配したLWDという三元豚です。
肉量があり繁殖力が高いランドレース種&大ヨークシャー種を親に持つ豚(LW) | 交配➡ | おいしさ・生産性ともにすぐれている三元豚(LWD) |
味がいいデュロック種(D) |
日本の養豚業界が、長い年月をかけてつくり上げた美味しい豚肉が、LWDという三元豚なのです。
最近では特定の産地や飼育業者で特定の掛け合わせで生産された豚に関して、産地の名前等を冠した「〇〇三元豚」といったブランド豚が生産されています。
ちなみに、4品種をかけ合わせた豚肉は「ハイブリッド種」とよばれており、欧米ではこちらの方が主流なようです。
SPF豚
SPF豚とは、豚の発育に大きな影響を及ぼす病気にかかっていないことが証明された豚のことです。
SPF‥特定病原菌不在(Specific-Pathogen-Free)の略称!
豚がかかる病気には
- マイコプラズマ性肺炎
- 萎縮性鼻炎
- 豚赤痢
- オーエスキー病
- トキソプラズマ病
などがあり、SPF豚は言わば「健康証明書」付きの豚のことを指します。
徹底管理された飼育環境の中で子孫を増やし、特定の病気のないSPF豚が作られます。
病気によるストレスがないので、発育が早いのが特徴!
その肉質はやわらかく、あっさりしていて風味がよく、豚肉特有の臭みがないといわれています。
間違えてはいけないのが、決して『無菌豚』ではないということ!
すべての食肉に言えるのですが、冷蔵保存はもちろん、しっかりと加熱をすることが大事です。
黒豚
日本各地に数ある銘柄豚でも、1番周知されている!といったらコレではないでしょうか?
鹿児島県の黒豚は、明治時代にイギリスから輸入されたバークシャー種という豚がもとになっています。
筋肉の繊維がこまかいため肉がやわらかく、サツマイモをエサとしているためその脂質も優れていることから、美味しい肉として定着し、現在では鹿児島県の特産品として有名になっています。
黒豚はその価値を維持するために、三元豚のような多品種との交配はしません。
黒豚同士を交配した、純粋種のみが育てられています。
昔の豚の方が美味しい?
最初に日本に輸入されたのは、イギリス原産の中ヨークシャー種という豚でした。
昭和30~40年代前半頃まで日本の養豚の主流品種で、ほかの品種の豚に比べて脂肪が厚く、その脂肪に甘味があることが特徴です。
しかし、バークシャー種と同じように体格がやや小さく、生まれてくる子豚の数も少ないことから、徐々に生産が減りました。
現在では、中ヨークシャーの生産農場は一部に限られているほど減少傾向にあります。
万人に好まれるように、そして調理しやすいように改良された三元豚などに比べると、脂身をガツンと味わうことができる「昔ながらの豚肉」の方が、確かに美味しいと感じるかもしれませんね。
これも甘い美味い!とお客さまに満足いただいております♪
まとめ
野生のイノシシを家畜化し、肉がたくさんとれるように改良されてきたのが豚です。
妊娠から出産まで約4ヶ月、1回のお産で10頭前後の子豚を産みます。
肉用豚として体重を100㎏程度になるくらいまで育て、食肉市場へと出荷されるそうです。
上記のほかにも、沖縄原産のアグー豚やスペインのイベリコ豚など、美味しい豚肉として知られていますね。
どの豚にも言えることですが、これら食用豚は徹底した安全管理のもと、各農場ごとに様々な工夫を用いて育てられています。
こうした生産者の「多頭飼育ながら、ストレスのない環境下で育てたい!」という思いにより、美味しい豚肉が私たち消費者へ届けられるんですね!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。