みなさんこんにちは、田舎の精肉店肉処とよた略して『肉とよ』です🍖
『豚肉の部位を知る』第1弾、部分肉の基本
第2弾、部位ごとの説明
今回は第3弾!
豚の副生物・内臓(ホルモン)について、肉とよ的に解説していきます!
副生物とは
まず、家畜における副生物の説明をいたします。
牛や豚がと畜されると、食肉用の枝肉(皮・内臓などを取り除いた状態の肉牛のかたまり)とそれ以外の副産物とに分けられます。
副産物から原皮を取り除いたものが副生物です。
家畜をと畜した際にでる枝肉以外のことで、副次的に生産されるもののため、畜産副生物とも呼ばれています。
【家畜が副生物に至るまで】
- 枝肉‥食用肉
- 副産物‥原皮(各種皮革製品に使用)・副生物
- 副生物‥内臓・頭・足・油脂・骨・血液
※ちなみに、副生物のうち内臓部分以外の使い道はこちら↓
- 油脂‥ラードやヘットとして食用利用・石鹸や飼料などの原料
- 骨・血液・肉粉‥ペットフードや飼料、肥料の原料
副生物=ホルモン
副生物には内蔵も含まれています。
「副生物」というのはあくまで食品成分表で表現されている名称であり、内臓部分は一般的には『ホルモン・モツ』と呼ばれています。
以下は、流通している豚の内臓です。
流通している豚の副生物 | |||
カシラ(頭肉) | ミミ(耳) | タン(舌) | ウルテ(気管) |
ノドスジ(食道) | ハツ(心臓) | レバー(肝臓) | ハラミ(横隔膜筋) |
マメ(腎臓) | ガツ(胃) | ショウチョウ(小腸) | ダイチョウ(大腸) |
テッポウ(直腸) | ハナアブラ(胃・腸周囲脂肪) | ||
チチカブ(乳房) | コブクロ(子宮) | トンソク(豚足) | テール(尾) |
牛と比べると豚は体が小型なので、その分それぞれの部位の重量も小さいです。
カシラ・大腸・小腸・レバーは、いずれも1.2~1.5㎏。
その他も大きめのものでも300~500g程度です。
一般的に流通しているのはカシラやレバー、大腸・小腸・タン・ハツなど。
内臓以外の副生物として、ミミ・トンソク・テールも使われています。
豚の副生物は
- 消化管系‥胃・小腸・大腸など
- 循環器系‥レバー・心臓(ハツ)など
- 頭(カシラ)・タン
- テール・トンソク
- それ以外
などと、おおまかに分かれます。
色や形からくるイメージが呼び名となっていることもあり、消化管系を「白モノ・白モツ」、循環器系・頭を「赤モノ・赤モツ」と呼んでいます。
豚の「白モノ」はコラーゲンなどのたんぱく質を、「赤モノ」は各種ビタミンやミネラルを多く含んでいます。
副生物小咄
以前、肉とよ家で鹿児島へ旅行に行った時の話。
知り合いの精肉店に顔を出したところ、そこには山口ではあまり見かけない「トウニク」の文字がありました。
黒豚で有名な産地で売られていたそれ‥そう、豚の「トウニク」=頭肉です。
あらかじめ食べやすいように角切りや細切りにしてあり、豚の小間切れ並の低価格で販売されていました。
店主が言うには『ロース肉やバラ肉のように、鹿児島ではこの「トウニク」が一般家庭でも普通に炒め物や煮込み料理に使われている』のだそう。
頭肉に限らず、副生物は全国でさまざまな料理に使用されています。
- どて煮‥コンニャクとともに八丁味噌で煮込んだ愛知の郷土料理
- シロコロホルモン‥大腸(シロコロ)部分を網焼きした神奈川県のローカルグルメ
- もつ煮込み・もつ鍋・もつ焼き‥牛や豚、鶏の内臓を使用する代表的料理
このように、地方や地域ごとにそれぞれの食文化として発展していき、昨今のB級グルメやローカルグルメとして定着していったんですね!
まとめ
豚の副生物は、その個体の小ささから、血管や胃・腸の内容物などのいらない部分を取り除いたりして商品化するには大変な手間がかかります。
しかも長く保存することができないため、豚の内臓部分の流通はネックになっています。
しかし、その栄養価の高さが見直された昨今、焼肉店・精肉店で購入できるのはもちろん、ご当地グルメやB級グルメなどでも人気を博しています。
みなさんもぜひ、牛だけでなく豚の副生物にもご注目くださいませ☆
別記事にて、より詳しく豚のホルモンについて解説いたします。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。